NHK音楽コンクールに思う

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 NHK教育でNHK音楽コンクールの様子が放送されていたので、高校の部を見てみた。
 私はそもそも合唱のコンクールというものにあまり好意的ではない。音楽という絶対的な判定基準のないものに優劣を付ける、という事に好感が持てないからである。
 それでも世の中には「努力するための目標」が欲しい人がおり、それは自分たちの活動が独りよがりにならないためにも大切な事なのかもしれない、とは思う。
 今日、1年ぶり(昨年も見ていた)にコンクールの様子を見ていて、高校生なのにとても難解な、私から見れば難しいものに取り組むという以外に面白みのない曲を自由曲として歌っていて、コンクールの弊害を感じた。技術力を誇示しないとコンクールで賞は取れないのだ。そして平易な曲では技術力が誇示できないのだ。
 私が高校生の時はコンクールに出るという発想自体がなく、10人強の小さな合唱部で、それでも切磋琢磨しながら文化祭での公演を第一の目標にして、日々楽しく厳しく練習していた。今はそれで本当に良かったと思う。
 大学の合唱団は同じくコンクールに縁がなかったが、3年で学生指揮者をしていた時、下級生の熱烈な「コンクール出たい熱」を無視できずにコンクールに出た。この時は出て賞を取ると言うより、次年度以降コンクールに出るのかどうかを決めるためのお試しという感覚だった。
 出場した朝日のコンクールは大学部門がわずかに5校と非常に少なく、そこに大学合唱団の「コンクールより自分たちの演奏会」という姿勢を見ることができる。そしてその中で、数が少なかったせいだろう、銅賞を取ることができた。
 その時の体験と、今日テレビを見て思ったのだが、それでも「賞を勝ち取る」という事を体験してみたかったような気がしないでもない。

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