朝から格闘

　仕方がないので、布団を剥ぐ。
　と、目も開けずに手だけで布団をかけ直す息子。

　足元まで一気に剥いでみる。
　と、「駄目！」と叫んで起き上がり、布団をつかんでかけ直しつつ寝なおそうとする息子。

　何度かやっているうちに目が覚めてしまったらしく、布団の上に座ったまま「お父さん嫌！　あっち行って！」

　これまでならこの頃に妻が起きてきて着替えやら何やらをやってくれていたのだが、出産後は夜間授乳で寝たり起きたりなので妻にお願いするわけにもいかない。

　強引に抱っこして居間に連れて行く。
　ホットカーペット(フローリング仕様)の電源を入れておいたので寒くはなかったはずなのだが、「嫌～」と泣き叫びながら脱兎のごとく寝室へ向かう息子。今まで見たことのない速さである。

　もう一度居間へ連れて行き、とにかく寝室へ帰さない作戦決行。泣き叫ぶが知った事ではない。
　ややあってうるささに郷を煮やした妻がやってきて「うるさい！」と怒鳴る。こちらが怒っているのにそちらも怒るのはどうなのよと思いつつ、お母さんに頼りたかった息子はさすがにショックでおとなしくなる。

　その後は仲良く朝食を摂ったのだが、おかげで家を出る時間が遅くなり、普段は避けている混雑電車に乗る事になってぐったりである。