父親の誕生日

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 昨日は父の誕生日だった。
 そして私は30年近く生きてきて、ようやく父の誕生日を覚えた。

 父は某公共放送の記者をしていて、ほぼ4年周期で各地を転勤して歩いていた。(既に退職) 当然家族はそれにつき従うので、私も鹿児島(出生) → 奈良 → 香川 → 東京と転校を繰り返した。

 小学校は3ヶ所(奈良で入学、東京で卒業)で、「入学した学校」と「一番長く在籍した学校」と「卒業した学校」が全て違う。しかも卒業した学校には半年しか在籍しなかったので、卒業アルバムの大半は自分に関わりがない。その割には運動会で応援団長をしたり、児童会長(生徒会長)に立候補させられたりしたのだが。(転校生は目立つので、いろいろ祭り上げられやすい)

 話を本題に戻すと、「記者」という仕事は朝も夜も平日も休日も関係ない仕事だ。土日に出勤する事も多々あれば、泊まりや明けも良くある話。狙った日に休みを取るというのはほぼ不可能である。(今は知らないけど) 父親参観に来てもらった記憶はほとんどないし、休みの日に一緒に遊んだ記憶もそれほどない。

 従って、家族の誕生日は「その日」ではなくて「その日に一番近い父がいる日」に祝うのが我が家の常識だった。
 しかも「子供の誕生日」は親としてもケーキを作ったり友達を呼んで誕生会を開いたりと一大行事だが、親の誕生日はともすれば何もせずに終わる事も多い。母の誕生日はたまたま当時の天皇誕生日(現昭和の日、前みどりの日)の翌日だったので覚えやすかったのだが、父の誕生日は周囲に特に何もない日なので「7月の10日前後」「7月の10日か11日」という理解はあってもピンポイントに日付を挙げられないままだったのだ。(何度か母に聞いた事もあるのだが、その度に忘れた)

 そして今年。私は唐突にひらめいた。

「覚えられないのはキリが良い日ではないからではないか」

 10日か11日かで毎年頭を悩ませていたのだが、もし「7月10日」というキリの良い日なら、もっと早くに覚えられていたはず。覚えていないのはそうではないから。つまり、父の誕生日は「7月11日」

 一昨日たまたま母から電話があったので、「明日(11日)だよね?」と聞いたらビンゴ! これでもう忘れずにすみそうだ。

 で、昨日は息子に電話をさせて「おじいちゃん、お誕生日おめでとう」と言わせたのだが、その後私と換わった電話では「DELLの対応が非常に悪い」とおかんむりの様子。なんでも「注文から届くまでに1ヶ月近くかかった」「しかも初期不良」「次に来た商品が初期不良ならもうキャンセルする、と言ったら"一度受け取っているので、そこから10日以内でないとキャンセルできない"と言われた(つまり次に商品が届く頃にはもうキャンセル可能な期間を過ぎている)」らしい。

 DELLの評価が以前に比べて落ちているのは知っていたが、私は20インチのモニタを購入した時も、妻用のノートPCを購入した時も、最近メインPCを購入をした時もごく普通だったので、「法人向けと一般向けでは扱いが違う?」という印象。

 それにしても久しぶりに父の「決め付け論(DELLはもう企業としてなってない。クレームは適当にあしらえばいいと思ってる)」を聞いて、よくもまぁこの親の下でぐれもせずに育ったものだと自分に感心してしまった。
 私が頑固なのは、きっとこの親の性格を引き継いだに違いない。(でも人の意見はいきなり却下せずに、検討はきちんとしているつもりなのだが……)

 父ももう59歳。
 越えられない、越えようと思うのも恐れ多いと思っていた父も、最近は「やっぱり年取ったなー」と思う言動が垣間見えるようになって来た。
 還暦を区切りとせずに、曾孫を見ることを目標として長生きして欲しいものである。

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