Designer meets Designers 03 参加メモ

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 5月9日(金)に開催された「Designer meets Designers 03」に参加してきたのでメモ。

 会場は7~8割の入りといったところで、ぱっと見たところ女性が4~5割分くらい。
 基本的に若い人(~35くらい?)が多い印象だが、中にはどう見ても50歳は下回らない(場合によっては60近い?)という人もいた。
 前回までは椅子だけだったのだが今回からは机も設置されていたので、メモをとったりするには便利。
 ただ列の間隔が狭かったので、椅子を引いてもその後ろを人が通り抜けるのに苦労する状態。もう少し列の数を減らして間隔に余裕を持たせてほしかった。でも1列18人だったので、単純計算で5列減らすと7,000×18=126,000円の収入減ともなればなかなかそうもいかないのだろう。自分も勉強会を開催したりするので、運営側の気持ちはよく分かる。(でも参加者としては不満)

【Session1】
 スライドがオートで進んでいた気がしたのだが、もしかしたらリモコン操作だったのかも。
 話す内容を事前にしっかり吟味して練習してきたという印象なのだが、いかんせん言葉が聞き取りづらい。それにSpeakerをよく見ていると、PCの画面と投影されているプロジェクタの画面と、それに舞台そでしか見てない。もっと観客に向かって話さないと伝わるものも伝わらないのでは。

 前半はブラウザの歴史とかシェアとか、私にとってはすでに知っている内容が多かった。
 CSS Spriteのデモでは、アイコンが小さくてロールオーバージの挙動がいまいちよく見えない。どうせサンプルを用意するなら、もっと大きなものにすれば良かったのに。プロジェクタに投影してみたことのある人なら分かるのだが、PCで十分な大きさでも投影すると案外小さくて遠い人からは見にくいのだ。
 で、ソースもちらっと見せて説明していたのだが、とにかくフォントサイズが小さくて全く見えない。1画面に30行表示するのは、PC上では問題なくてもプロジェクタ(しかも400人も入る巨大な会場)では無謀に近い。

 後半は「いろいろなものにいろいろな仕様があるよ」(例:CSS 2 / 2.1 / 3) という話。今後注目すべき仕様とか。
 これも列挙するだけ列挙したけど聞いている人が「なるほど」と実感できるほどの説明がなかったので、なんだかよく分からないうちに大量の情報を浴びてしまった、という気分。(いや、私はある程度理解したけど)

 全体的に、知っている人には聞いてもそれほど価値のない内容、知らない人には聞いてもいまいちよくわからない内容、になってしまっている気がした。ターゲットをもっと絞ると良かったと思うのだが、各Session間の内容の調整などは行われなかったのだろうか。(この辺、後述)

 とりあえず収穫らしい収穫は下記一言。

「"Web標準"を"メリット"で考えない。それは"当然守るべきルール"」

 つまり、「Web標準だと何がいい」とか「うちはWeb標準に準拠してる」とかそういう事を言うために「Web標準」がある訳ではなく、「まず準拠する事からすべては始まる」という事。これは確かにその通りだと思う。そしてそれを分かっていない人が多いと思う。

 あと、80分という時間設定は明らかに長い。(自省の念を込めて)
 Speakerに巧みな話術がなければ、集中力を切らさずに80分話し続けるのは無理だということがよく分かった。


【Session2】
 本人も最初に言っていたが、早口で聞くのに集中力が必要だった。
 ただ、まとめ方はなかなか上手で、スライドの内容と口頭での説明のバランスが絶妙だった。
 スライドを見れば何となく理解でき、適切な口頭での補足説明で理解が深まり、スライドを見れば補足説明が思い出せそう。


【Session3】
 最初にいきなりなれなれしく「皆さん、名刺交換しました?」「してない? なんで?」「今この場で名刺交換してくださいよ。私もしますから」とか言われても!
 主催者の意図は分からないけれど、どう見ても「セミナーです」という状態で名刺交換を求めるのには無理があると思う。(自省の念をこめて) それならそれで主催者側が名刺交換をしやすい工夫をしないと。
 全体的に「反応を求めている (盛り上げたい)」Speakerと、「とにかく説明してくれればいいんだよ」という聞き手との温度差を感じるSessionだった。

 スライドの情報が「見出しだけ」というものが多く、後は全部口頭での説明という姿勢はあまり良くないと思う。もちろん何でもかんでもスライドに詰め込めばいい、という話でもないのだが。スライドの内容が多い部分でも文字が小さくて読みづらいし。
 リモコンでスライドを動かしており、聞き手の方をよく見ていたのは良かった。

 「Web Standards」は一種の「バズワード」というのは初耳だったので「なるほど」と思った。
 「効果的なWebサイトとはどんなものか」という項目に期待していたのだが、よくあるありきたりな事を言っているだけで肩透かし。これくらいの内容なら、ちょっとネットで調べればすぐ得られるよ、と思う。
 後は「技術を習得することだけがWeb標準ではない」という言葉は良かった。


【Session4】
 正直言って、ここまでの3つのSessinで「今回は外れ」という気がしていただけに、このSessionには救われた気分。
 まず、落ち着いた語り口で聞きやすい。
 そして「Web標準」という掴みづらい話を「実際の事例」を挙げて説明してくれたので、より具体的に理解することができた。

 特に「文書構造設計」が興味深かった。
 もちろん自分でもある程度分かっているつもりだったが、実例を目にすると「なるほど」という思いがより強まる。こういうのを参加者は求めていたのではなかろうか。(もちろん出せる情報と出せない情報とあるだろうが)

 「Web標準に準拠すると表現の幅が狭まる」という考え方ではなく、「Web標準に準拠してより効率化し、管理を楽にしよう」という考え方には「なるほど」と思った。

 全体的にケチをつけるような事はなかった(それまでのSessionが期待はずれだったこともある)が、スライドの内容を印刷物として配布しているのだから、画面上でいろいろ動かす必要はなかったのではないかと思う。
 「最初は画面上に何もなくて、1つずつ項目が出てくる」のだが、手元の印刷物を見れば最初から全部の項目が出ているのでばかばかしく思えてきた。
 スライドの動かしすぎは禁物。 (自省の念を込めて)


 全体を通じて思うのは、各Session間の内容の調整をもっとしっかり行って欲しいということ。1~3のSessionには重複する部分が多く、無駄だと思った。

 今回は「Web標準」という漠然としたものがテーマだったので、どのSpeakerも「Web標準とは何か」に力を入れていたように思う。もちろん様々な人がそれぞれに「Web標準とは何か」を説明してくれればその違いを楽しんだりもできるのだが、それも全体から見た割合が一定以下だった場合の話。1~3の合計180分は私にとってはほとんど同じ内容に聞こえ、正直うんざりした。

 後は、このイベントがセミナーなのかそうでないのかにやや疑問を感じた。何しろタイトルは「Designer meets Designer」なので「出会いの場になれば」という意図がふんだんにあると思うのだが、現状はどう見てもセミナー。もう少し交流するための仕掛けを用意した方が良いと思う。
 でもこの辺は本当に難しい。私が開催している勉強会でも、たった30人強の人たちを交流させることだって上手くできていないのだから、400人を交流させるのは本当に大変なんだろう。交流を求めていない人も多いし。

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