ポニョに父親を考える

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 三連休なのにどこにも行かないのは何なので、10月13日(月・祝)は家族で映画を見に行った。
 さらば仮面ライダー電王と迷ったが、娘(1歳10ヶ月)もいるのでポニョに。

 蘇我にあるエクスワイジー・シネマズ蘇我に行ったのだが、9時半からの上映を目指して9時10分頃に着いたら長蛇の列。うむむ、幕張のシネプレックスだったら朝1番の回はこんなに混まないのに、と思ったが、大規模な駐車場があるかないかの違いなのかもしれない。ちなみにシネプレックスに行かなかったのは、単純にポニョの朝の回がなかったから。12時半からの上映はあったのだが、子供たちは昼寝の時間なので。

 感想としては、まぁ子供向けファンタジーとしてはこんなものかな、という程度。腹も立たない代わりに絶賛するほどでもないかな、と。ただ子供には少し分かりにくい気もする。息子はまだ5歳だし、小学校低学年くらいになればまた違うのかもしれないが。


 印象深かったのが主人公の男の子の母親がなかなかたくましい事。すごい勢いで車を運転するし、料理はするし、子供を2人小脇に抱えるし、決断力も行動力もある。
 それに比べて、船乗りの父親には目立った活躍がない。基本的に、物語の断片を「目撃」する役所。それによって見ている人は物語を追いやすくはなるのだが、ただ目撃するだけといった受動的な行動ばかりなので、はっきり言っていてもいなくてもいいのでは、と思える役回りである。

 男親として思ったのは、それはあんまりじゃないか、という事。確かに昨今の女性はたくましいし、男性は仕事で家を空ける事が多く子育てには関与しない人も多い。そういう現状を素直に投影していると言えなくもないだろう。

 だが。

 子供をターゲットにした映画なのだ。もう少しお父さんが頼りになるところも見せられなかったのだろうか。この作品のお母さん並みに活躍して欲しいとは言わない。それでもほんのちょっとした行動や仕草でいい、「ああ、お父さんもすごいね」というところを見せて欲しかった。

 最近の子供、特に娘が父親を軽蔑する事が多いように思うのだが、その原因の多くは母親が父親を軽視している事にあると思う。母親との接触時間の方が圧倒的に多い子供からしてみれば、自分の母親が軽視している相手を尊敬するのは難しい話だ。
 美化するのもまた良くないが、子供や母親とは全く違う土俵の上で、それでも「家族のため」という同じ方向を向いて頑張っている父親の事を、母親はもう少し評価し敬意を表しても良いのではないだろうか。そんな相手を選んで結婚したのは他ならぬ母親なのだから。
(だらしない父親が多いのも事実名用なので、そういう人たちには尊敬される父親を目指して日々精進して欲しいとも思う)

 二児の父親として映画を見ていて、「父親はいつ出てくるのか」「父親の活躍はいつ?」と思い続けたまま映画が終わってしまった時の脱力感。世のお父さんたちは感じないのだろうか。
 それとも、そもそもこの映画を子供と見に行くお父さんたちは少ないのだろうか。

 ふと考えてみると、ジブリ作品(宮崎監督作品)には父親が活躍するものはほとんどない気がする。
 魔女の宅急便での旅立ち前の父親とキキとの交流はいい描き方だと思うが、それ以外は(紅の豚より後は何度も見た事がないのもあってよく知らないが)あまり存在感がない。(ラピュタのパズーの父親は過去の人扱いだし)
 父親が主人公の冒険活劇は望まないが、もう少し父親の存在感が高い作品が増える事を期待したい。

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