定期購読しているWebの雑誌『Web Designing』12月号のレビュー。
次の定期購読のお知らせが入っていたので、ついまた申し込んでしまった。
<目次>(Amazonから転記)
■特集1 Webサイト配色の最旬セオリー
グラデーション、グレー使い、余白ほか、8つの実践的ノウハウで学ぶ■特集2 Adobe Creative Suite 4まるわかりガイド
ターゲットはWeb、新機能を細大漏らさず紹介!■【集中連載】Flash開発の新機軸「ActionScriptライブラリ」
「TeraClock」で簡単にFlash時計をつくる■【Special】Webクリエイティブカンファレンス「dotFes」レポート
大盛況! 雨の新宿で「学園祭」を開催■【WD Interview】North Kingdomの“グローカル・クリエイティブ”
スウェーデン北部の小さな街から世界へ■Topics
AIRならでは! デスクトップでFlashビデオ
movement_情熱の国ブラジルのアート ほか
企業サイトの未来を映すリニューアルプロジェクト「ソニー製品情報」
One's View_稲本零、岡田尚志、新藤愛大、野澤智
■特集1 Webサイト配色の最旬セオリー
グラデーション、グレー使い、余白ほか、8つの実践的ノウハウで学ぶ
基本的に、Web制作をこれまで行っていた人なら「既に知っている」内容がほとんど。特に「Webサイトでの色遣いに」ついての書籍を何かしら持っている人なら、ほとんど読む必要のないものではなかろうか。
この特集の価値は、ページの隅に記載されている
- Web配色に役立つ サイト・ツール24!
- Web配色に役立つ 書籍16!
- Web配色に役立つ アイテム8!
であり、もっと言えば「Web配色に役立つ サイト・ツール24!」にこそ最も価値があると思う。
それすら「もう知っている」という人には全く価値のない特集。
■特集2 Adobe Creative Suite 4まるわかりガイド
ターゲットはWeb、新機能を細大漏らさず紹介!
Adobe Creative Suite 4の購入を迷っている人には価値のある内容。ただしWeb上である程度情報収集できるなら、それで同内容を入手できる可能性が高い。(元々購入予定がなかった(CS3を所持)ので、調べていないが)
基本的にはそれほど大きく追加・変更された機能はないので、CS3を持っている人にとってはちと微妙。
CPUで処理していた部分をGPUに負担させる事でパフォーマンスが改善されていたり、Premiere ProとAfter Effectsの連携が良くなったりしているらしい。
ただFlasherには「インバース・キネマティック(IK)」や「3D回転」「3D変換」「デバイスフォントにアンチエイリアスをかけたり回転させたりできる」「縦書きのダイナミックテキストが使用可能」といった新機能があるので、Flash単体で持っている人はアップデートを検討してもいいかも。
■【集中連載】Flash開発の新機軸「ActionScriptライブラリ」
「TeraClock」で簡単にFlash時計をつくる
これは「TeraClock」というライブラリの紹介。時計が簡単に作れますよ、というもの。時計を作らない人にはほとんど関係ない内容。(ライブラリの作りについての勉強にはなるけど)
もしこれを知らなくても「actionscript ライブラリ 時計」で検索すれば類似情報にたどり着けたであろうし、そこで十分理解できたであろう事を考えると、もう少し複雑なライブラリを紹介してくれた方が「紙媒体」の特性を活かせる気がするのだが。
■【Special】Webクリエイティブカンファレンス「dotFes」レポート
大盛況! 雨の新宿で「学園祭」を開催
イベントがあったらしい、という事が分かる程度。
■【WD Interview】North Kingdomの“グローカル・クリエイティブ”
スウェーデン北部の小さな街から世界へ
「刺激を受ける」という意味ではこういう情報にも価値があるが、しがないWeb制作者にとって「参考になるか」と言われれば自信を持って「No!」と言えてしまう気がする。(寂しい)
AIRならでは! デスクトップでFlashビデオ
「Airでこういう事ができますよ」という事例。しかし「なるほど。じゃあAirやろう!」とはあまり思わない。
movement_情熱の国ブラジルのアート ほか
興味があるものが載っているといいね、という情報が11個。
WebというよりDesignに関する情報なので、私にとってはあまり惹かれるものはなかった。
企業サイトの未来を映すリニューアルプロジェクト「ソニー製品情報」
どういう意図でソニーの製品情報サイトをリニューアルしたか、という話。
全4ページで写真が多いので情報量としてはそれほど多くないが、こういう実際の制作事例の話は貴重なので有用だと思う。ただ、ソニーという企業の規模に比べてページ数が4ページというのはあまりに少ないのが残念。分かったようなよく分からないような、そんな気分。
One's View_稲本零、岡田尚志、新藤愛大、野澤智
野澤智さんは今回が最後。
いつも「へー」と思う内容が紹介されていておもしろい。すぐ役に立つ訳ではないのだが、こういう刺激を受けるのは将来に繋がると思う。
<雑感>
個人的には「CSS Analysis」を毎回楽しみにしている。どんなサイトを、どんなCSSで実現しているのか、という実例を知る事ができるので。今回も「知らなかった手法」はなかったのだが、「こう組み合わせるのね」という参考にはなった。
KLab(クラブ)株式会社の、「携帯サイト用CMS」というのもなかなか興味深かった。
毎回思うのだが、『Web Designing』という雑誌は「技術力」を身につけるためのものではなく、「刺激を受け続ける」ためのもののように思う。似たような雑誌で『Web Creators』というものもあるが、そちらに比べて「技術的刺激」「芸術的刺激」が多いように思う。
特に数多くの「アート」に触れる事ができるのがいい。すぐ役には立たないし、「アート」は真似をするのが難しいのだが、それでも「アート」を日頃から目にしていれば少しずつそれが自分のものになると思うからだ。
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