友人に連れられて観劇。つい2年ほど前まで演劇には全く縁がない(観劇すらしない)人間だったのに、最近周囲に劇をしている人が増えているのは一体何なのだろう。
今回観劇したのは、「愛情爆弾」という劇団の「素晴らしきこの世界 -僕達は星のカケラでできている-」という作品。
友人とは飯田橋駅で待ち合わせて「シアターイワト」へ。小劇場の事はよく分からないが、私が誘われる劇はだいたいこれくらいの大きさのところが多い気がする。広すぎず狭すぎず、値段も手ごろなのだろうか?
前半はいくつもの物語が細切れに繰り広げられ、時間軸も分からなければ登場人物もバラバラなので何度も行われる場面転換に頭の中が軽く混乱。
が、中盤以降はそのいくつもの物語が少しずつ少しずつ集約されていく。その集約のされ方が小気味よく、疑問だった事がどんどん解ける様に快感を覚えるほどだった。
が、ついに1つになった物語に感動する間もなく、怒涛の終演。そのあまりの勢いが残す余韻がまた心地よい。そして考えさせられる。
この作品は2001年に初演されたらしく、再演リクエストで常に上位に付けているらしい(2004年に再演したにもかかわらず)のだがそれにも納得。小説にしたらとても売れそうな気がしたのだが、よく考えてみると小説はいつでも前に戻る(読み直す)事ができるので逆に良くないかも。この作品は、「何? 何?」と観客を混乱させておいてこそ意味があり、「何?」と思ったらすぐに同じ場面を何度も読み返せる小説では魅力が半減してしまうに違いない。
感服したのは場面転換のうまさ。
木や川といった本来なら小道具で表現する部分を、何と人が演じている。そして一瞬の暗転の後に場面が切り替わると、それまでの登場人物は一瞬にして次の場面の背景になり、それまでの背景が次の場面の登場自分物になるのだ。
最初はその場面の登場人物との区別がつかずに若干混乱したのだが、それまでの登場人物を退場させることなく、そして次の場面の登場人物を入場させることなく、まさに一瞬にして場面を転換させてしまうという発想にはただただ感心するばかり。
この作品はぜひぜひ今後も定期的(2年に1度とか)に上演してほしいと思う。
そしてこの劇団の次回作にも期待である。
コメントする