上野の国立博物館で清明上河図を見てきた

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文学部中国文学科卒としては行かない訳にはいかないだろうと思い、『日中国交正常化40周年 東京国立博物館140周年 特別展「北京故宮博物院200選」』に行ってきた。

目的は何と言っても「清明上河図(せいめいじょうかず)」
前々から話だけは聞いていたのだが、まさか日本にやってくるとは思わなかった。(中国でもめったに公開されないらしい)

この特別展自体は2012年1月2日(月) ~ 2012年2月19日(日)という期間なのだが、清明上河図は1月24日まで。土日は混むから避けようとすると、行ける日はそう多くはない。
先週の段階から今日に照準を合わせて仕事なども調整し、朝子供たちを保育園に送ってその足で最寄り駅へ向かった。

上野駅でチケットを購入し、国立博物館へは9時45分頃到着。
この時点で

・入場:60分待ち
・清明上河図:180分待ち

つまり、清明上河図を目にするまで4時間かかるという事だ。4時間というと13時45分?

入場までは外に並んでいたので寒かったのだが、これを見越して厚着をしていたので耐えられないほどではなく。携帯をいじりつつ待つ。

途中からはテントがあり、傘をさす必要がなくて楽になった。
が、テントの屋根に溜まった水を下から突いてこぼして楽しむおっさんがいたり、それを笑って見ているお仲間がいたり、「こっちは学術的興味で見に来てるのに!」とか無意味にイライラしてみたり。

中に入ってからはひたすら3DSでスーパーポケモンスクランブル。
既にクリアしているので、ポケモンのコンプリートを目指してひたすらプレイ。
遅々として進まず、長時間ゲームをする習慣がない私は途中でゲームに飽きてしまった。他にやる事もないからずっと続けていたけど。

国立博物館到着から3時間半ほど経過し、ようやく清明上河図の陳列されているケースが見えてくる。
そして、ここまで時間がかかる理由もはっきりわかった。(薄々悟ってはいたけど)

とにかく立ち止まって長々と見続ける人が多いのだ。
係員はひっきりなしに「立ち止まらないでください」と言っているのだが、聞く耳を持たない。
「こんなに長く待ったんだから」と係員に反論する人もいたのだが、そういう人がいるから後ろの人はさらに長く待つ事になるのだ。負の連鎖になっている事に気づいていないのか、他の人は知った事ではないという事なのか。

私はというと「細部は図録で見ればいい話。現物がいったいどういうものなのかの概論がわかればOK」と思っていたので、前の人に続いてさっさと見てしまう。
自分勝手な人の多さにイライラしていたので、正直清明上河図にあまり集中できなかった。残念。


清明上河図を見終わってから、その他の展示をざっと眺める。
今回は清明上河図があまりにメインすぎて、その他のものは「雑多」という印象。
貴重ではあるが、過去に中国関係の展覧会に何度も足を運んだ事のある私としては、似たようなものを目にした事が多いのでちらっと見るだけで終了。
書が多かったような印象だが、それもやはり「雑多」という印象だった。


14時過ぎに国立博物館を出て、上野駅へ。
駅ナカで遅い昼食をとろうと思ったのだが、いまいち惹かれなかったので東京駅へ。
そこでもいまいち惹かれるものがなく、結局「冷やしうどんとミニネギトロ丼」という上野でも食べられたのではないかというメニューに落ち着いたのであった。


往復に約3時間、並ぶのに4時間、清明上河図を含む展示を見るのに約20分。
結果論ではあるものの、かけた労力にはちょっと見合わなかったかな、と思う今日この頃。
これまで図録などで見た事のある清明上河図と現物との間に、目立った差異がなかった(「やっぱり本物は違うな」と思えるポイントが少なく、ほぼ予想していた通りだった)のがその理由。もちろん本物を見る事に意味はあるのだが。

後は、学術関係者に公開される日とかあればいいのになー、などと思ったりした。
大学で中国文学を学んでいる学生さんなどはぜひ目にした方が良いものなのに、普段中国に関心を持っていないような「ありがたいものを拝みたい」だけの人が大挙して押し寄せているために、そういう人たちの足が遠のいているのではないかと心配である。


特に何をした訳ではないのに、ぐったり疲れた1日だった。

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